[PR]

 稲刈りが済んだ田んぼが広がる。近くの幹線道路を走る車の音だけが響く。半径1キロにコンビニエンスストアはない。リニア中央新幹線・山梨県駅の建設予定地、甲府市大津町は四方を山に囲まれた田園地帯だ。

 県によると、予定地は複数の候補地から県が選び、JR東海に要請して決まった。約24・5ヘクタールの農地を買収し、新駅の建設費はJRが負担する。地権者らでつくる「対策協議会」と県の関係は良好といい、地権者側は12月に用地測量を了承。着工に向けた手続きが順調に進む。

 ただ、協議会の土屋章会長(69)は「年2千万円を稼ぐ人もいる1等農地を売るのに、今の計画だと地元にリニアの効果が還元されないのでは」と漏らす。地元では、市中心部へのアクセスが改善されないことへの不満がくすぶるという。

 山梨県駅はリニアの中間駅で唯一、県庁所在地にできる。ただ、JR甲府駅や市役所などがある市中心部までは直線で約7キロ。渋滞時には車で約30分かかる。県はバス路線を新設する計画だが、渋滞対策は交差点の道路拡幅などにとどまり、大幅な時間短縮は難しいという。かつてはモノレールや、堤防上のバス専用線なども検討されたが、財政難などで見送られた。

 リニア開業後、山梨から都内へ…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら