アウト?セーフ?厚労省、パワハラ具体例を指針で例示へ
職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止策に取り組むよう企業に義務づける厚生労働省の法制化方針について、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会が14日、了承する報告書をまとめた。お墨付きを得た厚労省は、来年の通常国会に関連法律の改正案を提出する。被害が拡大する中、ようやく対策が一歩進む。
全国の労働局に17年度によせられた労働相談で、パワハラなどの「いじめ・嫌がらせ」は約7万2千件と15年連続で増えた。内容別では6年連続で最多だ。
法律では、現在は定義が定まっていないパワハラに当たる行為を「優越的な関係に基づき、業務の適正な範囲を越えて、身体・精神的苦痛を与えること」と定義。その上で防止策に取り組むことを企業の義務とする。
具体的な防止策は、加害者への懲戒規定をつくる▽相談窓口を設ける▽パワハラが起きたら事実関係を調べ、加害者を処分する▽当事者のプライバシーを守る▽相談者を解雇するなど不利益な取り扱いはしない――などを想定しており、指針で定める。
こうした措置に取り組まない企業には、厚労省が行政指導で改善を求める。それにも従わない悪質な企業があれば、企業名を公表することもできるとする。これが、まだ防止策を講じていない企業へのプレッシャーになり、「パワハラは許されない」というメッセージを社会に広げることにもつながる。新たな被害を防ぐ効果が期待され、我慢を続けていた被害者にとっては相談窓口へ駆け込むことが救済への糸口となる。
では、どんな行為がパワハラ…