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遠藤乾=国際

△佐々木洋「ソ連軍の千島占領と米ソ極秘共同作戦」(週刊金曜日12月7日号)

 本記事は、北海道根室振興局の歴史企画展「北方四島~運命の9日間」の概要を伝えることで、終戦間際と直後に起きたソ連千島占領のプロセスを史料で跡づけている。第2次世界大戦時に米ソが対日独戦線で協調していたのは当然だが、ここでは、そのアメリカが、千島を占領するソ連に対し、17隻のうち10隻までも船舶を貸与し、その上陸・占領作戦を秘密裏に訓練し、支援していた事実が明らかにされている。

△木村幹「【日韓】『元徴用工判決』への誤解を正す ICJ提訴必ずしも有利にならず」(会員制サイトJanet、11月30日)

 この論考で木村は、今回の徴用工の最高裁判決の論理を抽出している。それは、日本企業の「不法行為」を認定する根拠を、行為の内容ではなく、日本による植民地統治が違法であることに置いている以上、その統治に伴う行為はすべて違法にならざるをえないというものだ。その論理的帰結は、「日本による植民地統治下にあったほとんどすべての人々に慰謝料請求権が生じることになる」という。また、日本が国際司法の場に訴え出ても、「元徴用工等に関わる部分では勝訴しても、元慰安婦らに関わる部分で日本側は敗訴する、という可能性」があるという。傾聴に値する警告である。

△渡辺将人「『トランプ連合』の共和党と左傾化の民主党は、どこへ向かうのか」(中央公論1月号)

 この論考は、アメリカ政治の巨視的な歴史変動と二大政党の今後を占う。それはまず、中間選挙が各地方独自の文脈ではなく全国的な(とりわけ大統領信任の)動向と連動するようになってきた傾向を踏まえる。そのうえで、共和党側では、トランプ氏とキリスト教保守が結び、ひとまずトランプ連合ができたという。そこでは、キリスト教保守が、トランプ氏本人(とそのアポインティー〈被任命者〉)の倫理観・行動には目をつぶり、反中絶などで実を取れるかどうかで判断していることがわかる。その分、この連合体は小さな政府を志向するリバタリアンたちとは緊張をはらんでいることにも留意したい。他方、民主党側は、マーク・リラの脱アイデンティティー論に反発し、レビツキー流の格差是正とマイノリティー尊重の組み合わせが多数派を占める一方、政策的な核を打ち出すことができず、支持層は高学歴とマイノリティーに偏重し始め、反トランプの惰性で左傾化していると見てとる。

木村草太=憲法・社会

△岩永直子「女性差別だけではない医学部入試 50歳過ぎた受験生は合格者平均を超えても落とされた」(BuzzFeed News、12月12日)

 筆記試験で、合格者平均を上回りながら国立群馬大学医学部の入試で不合格判定を受けた女性の記事。形式的には、面接の得点が低かったのが不合格の理由とされた。訴訟を起こしたが、裁判所は、面接時の評価基準の開示も命じず、不合格判定も年齢差別とは認められないとした。「面接」や「総合評価」、「平常点」、「内申点」など、個人の主観を反映しやすい、ないし個人の主観を反映させるための得点で、不公正な入試が行われても、裁判所での救済を受けることが極めて困難であることを示す。これを踏まえ、どうすれば公正を確保できるか。政治家や法律家に重い課題を突き付ける論稿である。

△片山善博「地方自治の仕組みか…

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