自給生活、補い助け合う
昨年12月に開通した後志道の余市インターチェンジから車で5分。赤井川村との境に近いモンガク谷と呼ばれる丘陵地に「余市エコビレッジ」はある。6ヘクタールにおよぶ休耕地に、果樹園や山林がどこまでも広がる。
辺り一面が雪に覆われ、白一色になった昨年12月中旬、「ハンター入門講座」が開かれた。道内各地から集まった約10人の参加者は、地元猟師が前日にしとめたエゾシカの肉を使ったジビエ料理を楽しんだ後、猟師からシカの解体方法の手ほどきを受け、実際に肉や皮に分けた。
講座を企画したのは、余市エコビレッジを運営するNPO法人「北海道エコビレッジ推進プロジェクト」(HEPP)スタッフ、志村光菜子(みなこ)さん(29)。「動物は保護するだけでなく、命をやりとりする対象でもある。人間と動物がお互い支え合って生きていくというのが本来のあり方だと思う。そのことを知ってもらえてうれしかったです」と話し、締めくくった。
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HEPPは、クラフトワインづくりや旬の食材を楽しむ料理教室、エコツーリズムなど、1年を通し様々な学びの場を企画している。志村さんは2016年夏に出会った。
動物が好きで、動物保護に関係する仕事に就きたいと思っていた。獣医学系の大学を出た後、都市の動物病院で働いたが、しっくりこない。そんな時、HEPPがスタッフを募集していることを知った。理事長の坂本純科(じゅんか)さん(51)と会った。「自分がやりたいことにいろいろチャレンジさせてもらえそう」と、同年9月から敷地内のシェアハウスに住み込みながら、NPOの事務や企画を担当することになった。
シェアハウスは、キッチン…