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 ラグビー・ニュージーランド代表のオールブラックスで世界一を経験するなど、世界的なスーパースターの力は本物だった。神戸製鋼のSOダン・カーター(36)。来日1年目でチームをラグビートップリーグ(朝日新聞社後援)の優勝に導き、2018年度の最優秀選手(MVP)に輝いた。東京都内で16日に行われた年間表彰式ではファンがサインを求めて行列をつくるなど、「1番人気」。サインや写真撮影の求めに気さくに応じていた。

 カーターは「(優勝を)とても誇りに思う。来日したことは最善の選択だった。最後に優勝できたのはとてもいい気分だ」と喜んだ。インタビューでは、私生活の一端も語った。神戸に住みながら、京都や大阪も訪れ、日本文化に触れたという。好きな食事はすし。来日前は美食の国で知られるフランスでプレーしたが、「日本食は秀逸だと思う」と、日本への愛着を語った。

 今年7月に来日してから、カーターはSOとして神鋼の復活優勝に大きな役割を果たした。来日した際は、「選手たちがゲームプランを落とし込むのに苦労していた」と感じていたという。かつて神鋼はスペースにボールを運ぶランニングラグビーで一時代を築き、今季はそれを取り戻す戦いでもあった。「ボールを持ったら必ずアタッキングスペースを見つけてどんどん行く。そういうマインドを取り戻した。そこは日本に来て刺激を受けた」と振り返った。

 15日のサントリーとの決勝は神鋼の攻撃がさえて8トライを奪い、55―5と圧倒。集大成のような試合内容とその翌日のMVP受賞にカーターは「チームに貢献するためにプレーし、賞は後からついてくるものだが、ハードワークが認められた形で、うれしい」と話した。

 ワールドラグビーが選ぶ年間最優秀選手に3度選ばれたカーターにとって、来日は挑戦でもあった。「新しい環境に移る時には自分ができることを周りに示さなければならないし、チームの中でもリスペクトされる存在にならないといけない。それが形になった」と笑みを浮かべた。

 来年は日本でワールドカップ(W杯)が開かれる。日本代表について、カーターは「2015年W杯の日本代表の活躍がベンチマークとなり、そこからさらに強くなっている。19年W杯は日本ラグビーの新たなスタートになる」と語った。(能田英二)