「ゲノム編集で双子」中国の研究者、試験データ提出せず
広州=益満雄一郎
中国・南方科技大の賀建奎副教授が「ゲノム編集で遺伝子を改変した受精卵で双子を誕生させた」と主張している問題で、学術機構「中国臨床試験登録センター」は17日までに、賀氏が「双子誕生」の試験データを提出していないことを明らかにした。
同センターは、中国の研究者が手がけた臨床試験の科学性や安全性などを審査する公的機関。中国の研究者は一定の条件を満たす臨床試験について、同センターへの申請が必要とされている。賀氏の主張は「真偽不明」などと国内外で疑問視されており、捏造(ねつぞう)疑惑が深まるのは必至だ。
同センターによると、賀氏に対し、試験データの提出を求めるとともに、被験者の同意状況などについても問い合わせた。だが、11月下旬の期限までに回答はなかったという。
賀氏は11月下旬、香港大で開かれたゲノム編集の国際会議に登壇したが、「双子」の具体的な情報は明らかにしなかった。香港メディアは消息筋の情報として、同会議後、賀氏は南方科技大の関係者に軟禁されたと伝えている。(広州=益満雄一郎)
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