記者は失神寸前に 標高7千メートルへ、渋谷で高地体験

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金子元希
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 地上7千メートルでの酸素は平地の4割――。そんな環境で、どのように山を登るのか。鍵を握るのは高度に体を慣らすことだ。2019年1月に南米最高峰アコンカグア(標高6961メートル)をめざすプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)は、東京のど真ん中で、高地を疑似体験しながらトレーニングを積む。どうやって体験しているのだろうか?

酸素が少ない環境でトレーニング

 東京都渋谷区の三浦さんの事務所「ミウラ・ドルフィンズ」。一見、通常のトレーニング室に見える一室で、12月中旬、三浦さんが息を大きく吸っては吐きながら、ウォーキングマシンの上を歩いていた。遠征に同行する次男の豪太さん(49)も一緒に運動に臨んでいた。

 部屋の外側には赤い数字が光っていた。部屋の中の酸素の濃度を示すものだ。このときは11%台で、標高5千メートル程度と同じ濃さになっていた。

 ここは常設の低酸素室だ。室内の酸素を外に出し、代わりに窒素を入れているそうだ。酸素濃度を薄くして、標高6千メートルまでの酸素の状態をつくることができる。

記事後半では低酸素室でのトレーニングの様子を動画でご覧いただけます

 2時間弱の運動後、外に出た三浦さんは大きく呼吸をして、息を整えていた。「意識を失いかけて、やっと(マシンの手すりに)つかまっていた」

 持病の不整脈の症状も見られたという。豪太さんは「酸素が少ない環境で体に起きる反応を利用して行うトレーニング。具合が悪くなっても当たり前です」と解説する。

 1月の遠征を控え、三浦さんは12月に入ってから低酸素室でのトレーニングを本格化させている。

エベレスト登山前にも活用…

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