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 猫を保護するシェルター新設のため、名古屋市西区の動物愛護団体「花の木シェルター」が、インターネット上の「クラウドファンディング」で約600万円の寄付を募っている。猫の多頭飼育をしていた姉妹が愛知県警に摘発されて以降、飼いきれなくなった飼い主の相談が後を絶たず、対応が追いつかない市の収容施設の受け皿として民間が動いた。

 同団体は2014年から、拾われてきた猫などを保護し、飼いたい人に譲り渡す活動をしている。現在のシェルター(約180平方メートル)は約140匹を収容し、ほぼ「満員」という。

 昨年10月末、家族5人で暮らす3DKのアパートの室内で、猫など50匹以上を飼育しているという飼い主から保護の相談があった。団体の代表、阪田泰志さん(34)が名古屋市内の飼い主宅を訪れると、部屋には猫の糞尿(ふんにょう)のにおいが立ちこめ、壁は爪研ぎの跡だらけだった。5年前に2匹を飼い始めたが、費用面で負担となり、ほとんどの猫に不妊手術をしていなかったという。大家からクレームがあり、飼えなくなった。

 本来は公的機関の名古屋市動物愛護センターが収容するケースだが、大人の猫約40匹分のケージはいっぱいの状態。昨年6月に名古屋市が北区の市営住宅で保護した44匹も、21匹がいまだ引き取り手が見つかっていない。新たに収容しても、殺処分は避けられない。花の木シェルターが全頭保護に向けて動くことにしたが、センター同様に50匹を収容できる余地はない。阪田さんによると、シェルターを新設する予算も厳しく、「カツカツの状態」という。

 そこで、今回のクラウドファンディングで、第2のシェルターの開設資金や当面の運転資金などを募ることにした。名古屋市中村区内の空き家(約110平方メートル)を借りて、140匹ほどの猫を保護する予定だ。職員も増やしたいという。

 市動物愛護センターによると、18年度(昨年11月末時点)に収容した猫は1116匹。うち158匹が殺処分された。17年度の年間処分数の2倍以上にのぼる。

 寄付は今月末までで、特設サイト(https://camp-fire.jp/projects/view/112711別ウインドウで開きます)からできる。寄付した人には、保護猫の写真集などが贈られるという。問い合わせは花の木シェルター(052・710・5973)。(里見稔)