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 30年前、男性の6割がたばこを吸っていた。健康志向の高まりとともに、喫煙空間は消えつつある。平成の年の瀬に、たばこにゆかりのある人たちを訪ねた。

 「そりゃあ、禁煙が進む端緒になったとは思いますよ」。かつて東京都庁に勤めていた白髪の男性は、ファミリーレストランの禁煙席で振り返った。

 「私はこれで、会社をやめました」

 このセリフで大ヒットした禁煙パイポのCMは、昭和の終わり、1984年に放送が始まった。背広姿で小指を立てていたのが、埼玉県毛呂山町の手塚和重さん(78)だ。エキストラ団体に所属し、オーディションに合格して出演した。

 サラリーマン風の3人の男性が登場し、禁煙パイポを手に一人ずつ「私はこの禁煙パイポでたばこをやめました」「私もこのパイポでたばこをやめました」。そして、最後に登場した手塚さんは小指を立てて、「私はこれで、会社をやめました」。最後の落ちがお茶の間に受けた。

 禁煙パイポはたばこのように細長い形状で、口元がさびしくならないように、くわえやすくなっている。吸い口からはフルーツなどの香りがする。販売する「マルマンH&B」(東京)によると、最盛期の85年には月間700万本を販売した。いまは40万~50万本。たばこが値上げされると売り上げが伸びる。大幅値上げの2010年には3日間で100万本が売れて、在庫が底をついた。

 手塚さんは学生時代にボディービルで体を鍛え、たばこを吸ったことはない。ただ、当時は多くの同僚が職場でたばこを吸っていた。駅のホームは煙が充満し、線路には吸い殻がいっぱい落ちていた。だから、その後の社会の変化に驚いている。

 CMの後、見知らぬ人から握手…

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