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 福岡市南区で2016年に保育士の肱岡(ひじおか)綾音さん(当時28)が殺害された事件で、殺人罪などに問われた無職、冨士田清治被告(49)の裁判員裁判の判決が19日、福岡地裁であり、中田幹人裁判長は求刑通り無期懲役を言い渡した。判決を受け、肱岡さんの両親がコメントを出した。

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 被告人に無期懲役の判決が下されたと聞きました。

 この裁判は終わりましたが、私たちの娘は戻ってきません。今月17日、娘は誕生日を迎えましたが、私たちのなかの娘は28歳で時間がとまったままです。それなのに、被告人がこの先も生き続けていくことに対して、どうしても憤りの感情しか持てず、極刑でないことが不本意であるという気持ちはぬぐえません。

 裁判官・裁判員の皆様が、求刑どおりの判決を出してくださったことについては感謝をしており、お礼を述べたいと思います。

 今の私たち家族は、この裁判で事件当時の生々しい記憶ばかりがよみがえり、気持ちが揺り戻されてしまっている状態です。今後は、また一から、娘のために、私たち家族と一緒に涙してくれる人たちの笑顔をとりもどすことに注力し、私たちのすぐそばにいるはずの娘を、安心させてやりたいと思います。

 裁判中、この事件は防げなかったのかと何度も思えてなりませんでした。

 仮釈放中や、刑期が満期になった後とはいえ再犯の可能性が高いと思われる人物、あるいはそうした兆候がみられる人物について、その危険性の有無や程度を考えて、適切な措置をとる制度がないのか、もし無いのであれば、ぜひつくるべきではないかと思いました。

 最後に、娘のことを真剣に考え、長い時間と多大な精神的負担を負ってくださった、証人・警察官・検察官・裁判官・裁判員など全ての皆様に、重ねてお礼をお伝えし、被害者遺族のコメントとさせていただきたいと思います。