舞台設営で石綿…中皮腫の劇団員、アスベストの労災認定

村上晃一
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 劇団員の男性(当時70)が中皮腫で死亡したのは、公演会場での機材の設営中にアスベスト(石綿)を吸ったのが原因だったとして、池袋労働基準監督署が労災認定した。遺族が19日に記者会見して明らかにした。認定は7月10日付。

 遺族らによると、亡くなった加藤大善(だいぜん)さんは「劇団東京芸術座」に所属し、1974~80年に全国各地を巡業。俳優として舞台に立つ一方、公演会場となる高校の体育館や市民会館で、石綿が吹き付けられた天井に照明機材などを取り付ける作業も担当した。14年に中皮腫を発症し、16年に死亡した。

 池袋労基署は、加藤さんが74~78年に舞台の設営作業中に石綿を吸ったことが中皮腫の原因だったと認定した。

 劇団と雇用契約を結ばない俳優は、労働者と見なされず労災認定されないことが多い。加藤さんも雇用契約は結んでいなかったが、労基署は加藤さんが劇団の指示に従って働いていたとして労働者性を認めた。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(村上晃一)

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