【動画】竜王戦で敗れ、無冠となった羽生善治前竜王=瀬戸口翼撮影
平成の将棋界をリードしてきた羽生善治竜王(48)がタイトルを失い、27年ぶりに無冠になった。歴史に残る数々の記録を打ち立ててきたが、近年は成長著しい若手に苦しめられている。第一人者が正念場を迎えている。
広瀬章人八段(31)を挑戦者に迎えた竜王戦七番勝負。山口県下関市で20、21日に指された第7局は、史上初の「タイトル獲得通算100期」がかかっていた。
「負けました」。羽生竜王が投了を告げて無冠が決まると、対局室には約70人の報道陣が詰めかけた。前竜王となった羽生は「非常に形勢判断が難しい将棋だった」「(今シリーズは)細かいところでの選択で間違えてしまった気がする」と振り返った。口調は淡々としていたが、時折うつむく姿も見られた。
羽生前竜王の初タイトルは1989年の竜王戦だった。96年、7タイトルを史上初めて独占。08年には名人通算5期で永世名人の資格を得た。12年、大山康晴十五世名人(故人)を抜いて、タイトル獲得が史上最多の81期になった。
しかし、ここ数年は、20歳…