【いきもの目線】ハナミノカサゴ@マクセル アクアパーク品川=2018年12月11日、竹谷俊之撮影
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 美しいものにはとげがある。長いひれを広げて優雅に泳ぐ「貴婦人」のようなハナミノカサゴは、そんな言葉が似合う魚だ。背、腹、尻の各ひれのとげに強い毒があるという。「マクセルアクアパーク品川」(東京都港区)で飼育展示している5匹を360度のカメラで動画撮影した。個別水槽での展示は25日まで。

 赤と白の美しいしま模様は、実は天敵に自分をアピールするための「警告色」。普段はおとなしいが、危険を感じるとひれを広げ、相手を威嚇する。ひれの先にあるとげから毒を注入して襲うこともある。人間が刺されると激しい痛みがあり、患部が赤く腫れ上がるという。

 展示されている個体には毒はないのだろうか。「いいえ、ありますよ」と飼育員の阪口篤史さん。阪口さんには、水槽内への360度カメラ設置をお願いしていた。水中に入れた阪口さんの手は……素手!?

【動画】ハナミノカサゴのメイキング動画=竹谷俊之撮影

 ハナミノカサゴは岩陰に隠れて動かない。臆病な性格で、異物が近づくと物陰に隠れる習性があり、触ろうとしなければ襲ってくることはめったにないという。魚の生態をよく知る飼育員が、素早く作業を行えば危険は少ないということだが、見ていてついつい心配してしまった。

 ハナミノカサゴは、駿河湾以南の岩礁やサンゴ礁域に生息。ミノカサゴとよく似ているが、胸にしま模様があることなどが違う。長いひれは速く泳ぐのには向かないが、うまく使って獲物を追い詰めたりもする。口を大きく開け、一気に吸い込むようにして小魚を食べる速さは驚異的だ。(竹谷俊之)