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 日産自動車はゴーン前会長の不正について極秘に社内調査を進めたうえで東京地検特捜部と幹部らが司法取引を行っており、今後も捜査に全面協力する姿勢だ。21日朝、西川(さいかわ)広人社長兼最高経営責任者(CEO)は報道陣に「粛々と司法のプロセスには、全面的に協力していく」と話していた。

 11月19日の記者会見で西川社長は、ゴーン前会長らの不正行為として①役員報酬の過少記載②投資資金の不正支出③経費の不正支出――の3点を挙げていた。報酬の過少記載容疑は、報酬の受け取りを退任後に先送りする仕組みに基づくもので、会社側に実質的な損害はなかった。一方、今回の再逮捕容疑は、任務に反して日産に損害を与えたとする特別背任容疑だ。

 西川社長らはゴーン前会長のワンマン体制で経営がゆがめられたとして、約43%を出資する筆頭株主の仏ルノーとの関係見直しを含む体制の刷新を検討してきた。日産は三菱自動車とルノーとの3社連合を組み、ゴーン前会長がトップとして率いてきた。しかし事件後に日産と三菱自は会長職を解任。一方ルノーは解任を見送り、対応が分かれた。日産はルノーがゴーン前会長の後任会長を送り込むことを拒否するなど、日産とルノーは経営の主導権を巡ってせめぎ合っている。今回の再逮捕は両社の協議にも大きく影響しそうだ。

 世耕弘成経済産業相は21日午前の閣議後会見で「司法判断や捜査に関することはコメントを差し控えたい。外交問題に発展するかどうかもわからない」とし、「日産とルノーのアライアンス(提携)の問題については安定的に継続され、今後のあり方は関係者が納得する形で進むことが重要だ」と述べた。