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 奥三河の「森の香り」を精製して世界に届けます――。ヒノキやスギなどの森林資源を蒸留してエッセンシャルオイル(精油)をつくる「奥三河蒸留所」が、愛知県新城市能登瀬北野の湯谷園地で稼働を始めた。将来のブランド化と観光資源としての活用を目指す。併設のカフェや体験工房も予約制でオープンした。

 「日本には素晴らしい香りがあるのに、なぜ活用しないんだ?」。奥三河蒸留所を運営するランド(本社・愛知県安城市)の阿部晃社長(56)は数年前、フランスの取引先に指摘されてハッとした。ランド社は、ハーブなどから抽出した精油を欧州やアフリカから輸入・販売してきた。フランスならラベンダー、イタリアならベルガモットというように、世界ではその土地ならでは香りがある。では日本の香りとは?

 思いついたのが、奥三河のヒノキやスギ、モミなど、森林の香りだ。試作品をフランスに送ると高評価を得た。「これなら世界に通用する精油として売り出せる」。2年前から金融機関とプロジェクトを立ち上げ、準備を進めた。

 精油蒸留器は、北海道でロケット部品などを製造する植松電機など、高い技術力を持つ中小企業の協力を得て独自に開発した。奥三河で伐採されたばかりの間伐材や樹皮を高い密閉度で蒸留し、急速に冷やす。

 約300リットルの容器に入れた材木から抽出できる精油はわずか約10~25cc。モミから精製した出来たての精油からは、濃厚な森の香りが漂った。抽出後の材木は粉末にして燃料などとして活用する。

 原料材の安定購入を図るため、…

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