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 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が会社法違反(特別背任)の疑いで21日に再逮捕されたことについて、海外メディアも相次いで報じた。前日、東京地裁が勾留延長を却下し、ゴーン前会長が近く保釈されるとの見立てが広がった直後だけに、驚きが広がった。

 日産の筆頭株主のルノーが本社を置くフランスのフィガロ(電子版)は「彼(ゴーン前会長)は昨日は独居室から出る希望を持てたが、今日その夢は消える」などと伝えた。

 経済紙レゼコー(電子版)は「逮捕によって拘置所を(すぐに)出られる可能性が消滅した」と報道。「日本の検察は、できるだけ長く拘束するために、容疑を小分けにしているようだ」と伝えた。

 AFP通信は今回の逮捕を「再びどんでん返しが起きた」「粗暴だ」との見出しで報じた。そのうえで、「日本の司法制度に対する批判をさらに招くおそれがある」と指摘した。AFPは東京在住のフランス人弁護士の談話として、「日本の刑事司法制度は海外からの視線にさらされている。外国の指導者たちは日本の司法制度の粗暴さに驚くだろう」と伝えている。

 英紙ガーディアン(電子版)は、日本の刑事司法の手続きについて国際的な批判が出ていることに対し、山下貴司法相が「批判は当たらない」と反論したことにも触れ、「日本の刑事システムが世界に暴露された。必ずしも日本のいい面とはいえず、企業にもよくない」という東京の弁護士のコメントを載せた。

 クリスマスが迫っているとあり、保釈のタイミングに注目していたメディアも多い。米CNNは「クリスマス後まで、おりの中にとどまらせるよう、検察が動いた」との見出しで報道。ロイター通信は「クリスマスを拘置所で過ごすことになりそうだ」と伝えた。

 英紙フィナンシャル・タイムズも「クリスマス前に釈放されるかもしれないという家族の望みはついえた」とし、元検事の弁護士の「裁判所に予想外に勾留延長を却下されたことが、東京地検をより深刻な容疑の捜査へ駆り立てた」との見方を紹介した。また、大学教授の「これが当初からの狙いだった。検察は有罪を勝ち取るため出来ることは全てやるだろう」というコメントも紹介した。(疋田多揚=パリ、下司佳代子=ロンドン、遠田寛生)