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 自然の川底に湧く温泉を利用した川湯温泉(和歌山県田辺市本宮町)の「仙人風呂」が22日オープンし、地元の保育園児や観光客らが一番風呂を楽しんだ。温泉街に壊滅的な被害を及ぼした8月の台風20号の影響で例年より開始時期が3週間遅れ、風呂の大きさも3分の2だが、関係者は「仙人風呂を復興のシンボルにしたい」と意気込んでいる。

 仙人風呂は熊野川支流の大塔川の一部をせき止め、湧き出す73度の湯に川の水を混ぜて適温にした期間限定の露天風呂。昨年度は6万5千人が利用した。

 台風20号の際にはこの大塔川が氾濫(はんらん)。被害を受けた11軒の宿泊施設はそれぞれの復旧作業をしながら、協力して仙人風呂の準備を進めてきた。実行委員長の小淵誠さん(42)は「仙人風呂に多くの人にきてもらえれば僕らの励みになるし、復興につながる」と話す。経営する亀屋旅館も来年1月中~下旬に営業を再開できる見通しだという。

 熊野本宮観光協会の会長代行、名渕敬さん(54)は「自然と共存共栄でやってきたのが川湯温泉。災害に強く、今以上に自然と共存できる観光地にしていきたい」と話している。

 入浴時間は午前6時半~午後10時で、無料。恒例のかるた大会が来年1月20日にある。終了は2月末の予定だが、復旧工事の関係で繰り上がる可能性がある。(東孝司)