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 包丁研ぎ、ネットで承ります――。石川県能登町宇出津の老舗鍛冶(かじ)屋「ふくべ鍛冶」が珍しいサービスを始めた。注文すると店から届く専用の箱に切れなくなった包丁を入れ、ポストに投函(とうかん)すればよい。「ポチッ」とクリックするだけで「スパスパの切れ味」が手に入るとして、「ポチスパ」と名付けた。

 ふくべ鍛冶は、1908(明治41)年創業。港町にあり、代々魚をさばく包丁などの製造や修理をしてきた。だが、1次産業の衰退などで注文は減少。近隣の同業者は次々に廃業していった。

 ポチスパを始めたのは、4代目の干場(ほしば)健太朗さん(38)。先代の父・勝治さん(72)の仕事を見て育ったものの跡を継ぐ気はなく、大学卒業後は「地域おこしに役立ちたい」と能登町役場に勤めていた。しかし、4年前に母が亡くなり、「店を閉じる」と勝治さんが言い出した。「店がなくなると修理を頼めない」となじみのお客が困っている様子を見て、この道に入ると決心した。

 父の元で仕事を習い、各地の刃物産地にも足を運んで技術を学んだ。3年ほど前からネットでのPRに力を入れたところ、全国から修理の依頼が寄せられるように。都市部でもなじみの鍛冶屋が街から消え、刃物を研いでもらう場がなく困っている人が多いことが分かり、ポチスパを考案。今月から本格的に受け付けを始めたところ、首都圏を中心に全国各地から注文が相次いでいるという。

 1本1980円(税込み)、送料無料。2本目以降は1千円(同)で、1箱で最大5本まで注文できる。刃先の欠けた部分の修理や包丁のゆがみ調整なども料金に含み、追加料金はとらない。注文はホームページ(http://fukubekaji.jp/pochisupa/別ウインドウで開きます)から。問い合わせは、ふくべ鍛冶(0768・62・0785)。(井潟克弘)