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 2000年4月23日、新聞に1通の投書が掲載された。見出しは「大好きだから日産を辞めた」。

 《満開の桜のまま散りたい。夫はこの言葉の通り三月末に、三十四年の会社生活に終止符を打ちました。紛れもない早期退職なのに、顔は晴れ晴れとしています。大好きな会社、日産が生き残りをかけて大リストラをしたのです。

 家族のことを考えて一度は会社に残ろうとしたのですが、こう言ったのです。「もう一度、技術の日産の名車を見たい。カルロス・ゴーンさんの目は真剣だったから、きっとやってくれる。それに若い人たちも育ったから、おれが辞めても大丈夫。日産を好きなまま辞めさせてくれ」。反論できませんでした。》

 当時、日産は販売の低落傾向に歯止めがかからず、倒産の危機にあった。

 そこに現れたのが、仏ルノーから日産の最高執行責任者(COO)に就いたゴーンだった。

 1999年、大規模なリストラ策を盛り込んだ「リバイバルプラン(再生計画)」を発表し、2年での黒字化を打ち出した。

 「黒字化できなければ、責任を取って辞める」とみずからの責任を明確にした。工場の閉鎖や、不採算事業の売却を進めた。縦割りを打破し、社内横断的な改革チームをつくった。00年度の純利益は過去最高となる3311億円に達した。ゴーンは誇らしげに言った。

 「最初のコミットメント(公約)は達成された」

 劇的なV字回復。それはゴーンが絶対的な権力をつかむきっかけになった。「ゴーンの声は、神の声になった」と元幹部は言う。

グローバル化と格差の拡大が進んだ時代。カリスマ経営者は、この国でどう受け止められてきたのか。19年の変転を追います。

■転機になったリーマン・シ…

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