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 福岡市中央区に開業した商業施設のフードコートに、「ドライブイン」が登場した。車で乗り入れはできないが、地元・佐賀県で半世紀にわたって愛されてきた老舗の新業態の店。風変わりな名前も手伝って、一息つこうという客でにぎわっている。

 プロ野球ソフトバンクホークスの本拠地、ヤフオクドームの隣に11月にオープンした「MARK(マーク) IS(イズ)福岡ももち」。3階のフードコート11店舗の一角にあるのが「ドライブイン鳥(とり)」だ。

 看板に描かれているのはマスコットのコッコ君。鶏と人間を合わせたような姿に、胸には「鳥」の文字。クセが強い。通りかかった人は、不思議そうな表情でカメラを向けたり、「え、ドラ鳥やん」と驚いたりと、様々な反応を見せる。

 人気メニューは、佐賀産の「ありたどり」を使った唐揚げに、鳥めし、鳥スープがつく「鳥唐一番定食」(税別780円)。平日でも多くの時間帯で行列ができている。

 ドラ鳥の本店は佐賀県伊万里市の国道202号沿いにあり、来年1月で創業50年を迎える。2代目社長の有浦定幸さん(51)によると、創業当時は、車の普及や道路の整備が進み、車移動者向けの飲食施設(ドライブイン)がブームだった。「養鶏場を営んでいた父が店を始め、売りがわかりやすいように、と名付けたのが『鳥』でした」

 本店では、ありたどりを客がコンロで焼く「やき鳥」が看板メニュー。各地のドライブインが衰退する中、根強い人気で生き残ってきた。年間来客数は15万人を誇るという。

 18年ほど前、福岡県に糸島店を出店。そして今回の出店は、MARK IS側からの要請を受けた。有浦さんにも唐揚げを主力にした店を作りたい、との構想があった。店名をそのままにしたのは「地元での知名度を生かしたいという思いもあったし、一応、施設には車で来られるので(笑)」と語る。

 思わぬ後押しもあった。TVQ九州放送などで10月に放送が始まったアニメ「ゾンビランドサガ」。ゾンビと化した少女たちがアイドルになって佐賀を救う物語の第5話に、少女たちが「ドラ鳥」のキャッチコピーを歌うシーンがあった。「やき鳥一番、鳥めし二番、三はサラダで四(よ)い健康――♪」。アニメを見て「聖地巡礼」として訪れる客も多いという。

 MARK IS店の客は週末で1日500人。実店舗と違って、「スピードが求められるので難しい」という。試行錯誤は続くが、「お客さんに笑顔になってもらい、地元・伊万里に貢献できれば」と意気込む。(小野大輔)