「イオンがあるから転居も」そのイオン、閉店まで2カ月
大野博
イオン上峰店(佐賀県)が来年2月末に閉店する――。そんな情報が飛び込んできたのは今年5月22日のことだった。
1995年に「上峰サティ」として開店。2万平方メートルを超える店舗面積を誇り、2千台以上入る駐車場には県外ナンバーの車がずらり。福岡県久留米市内の商店街が売り上げを減らすなど、インパクトは広範囲に及んだという。
しかし、後発の郊外型大規模商業施設との競争が激化。運営母体マイカル九州の経営破綻(はたん)、イオン九州への合併を経て2011年に現在の店名に。改装などのてこ入れも図ったが、イオン九州は「お客さまニーズへの対応、期待されるサービス対応が十分にできないと判断」し、閉店を決めたという。
この日、上峰町の武広勇平町長は記者会見を開いて「『イオンがあるから』と、この町に転居してきた人も多い」と語った。
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武広町長の話を聞き、「本当にいるのだろうか」とそんな人たちを探した。半信半疑だったが、実際にイオンのすぐ隣にある「中の尾団地」にいた。
取材してみると、何らかの形…