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 北朝鮮で約1年半拘束され、昏睡(こんすい)状態で解放されたのちに死亡した米大学生オットー・ワームビア氏(当時22)の遺族が北朝鮮に損害賠償を求めていた裁判で、米ワシントンの連邦地裁は24日、北朝鮮が拷問をしたために死に至ったとして、約5億ドル(約550億円)を両親に支払うよう命じた。

 北朝鮮が拷問を認め、支払いに応じる可能性は低い。米朝協議が停滞するなか、北朝鮮がさらに態度を硬化させる恐れもある。

 バージニア大の学生だったワームビア氏は2015年12月末に観光目的で北朝鮮入り。16年1月に平壌のホテルにあった政治的スローガンが書かれた物を盗んだとして、国家転覆陰謀罪で15年間の労働教化刑(懲役刑に相当)の判決を受けた。昨年6月に解放されたが、昏睡状態で、1週間足らずで死亡した。

 判決で裁判所は、ワームビア氏は訪朝前は「健康で大きな夢を抱く若者だった。しかし、帰国後は目や耳が機能せず、脳死状態だった」と指摘。「北朝鮮は、ワームビア氏の拷問や拘束、超法規的殺害、さらに両親への苦痛について責任を負う」と結論づけた。(ワシントン=土佐茂生)