【動画】豚コレラの感染が確認された養豚場で作業する岐阜県職員や自衛隊員たち=高橋伸竹撮影
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 岐阜県は25日、岐阜県関市の養豚場の豚から、豚(とん)コレラウイルスの陽性反応を確認したと発表した。9月に岐阜市の養豚場で国内では26年ぶりに確認されて以来、飼育施設の豚やイノシシでの感染確認は6例目。民間の養豚場では2例目となる。殺処分の対象はこれまでの10倍以上の7547頭で、県は自衛隊に派遣を要請した。

 県によると、養豚場では23~24日、出荷豚68頭の検査中に1頭から遺伝子検査で陽性反応が出た。県が養豚場の20頭を検査したところ、25日未明にメスの成体の豚2頭から陽性反応が出たため、国と協議して殺処分することを決めた。発熱などの症状はなかったという。養豚場では野生イノシシ対策のワイヤメッシュ柵も設置するなどの防疫対策を取っており、22日まで豚を出荷していた。

 県は25日午前7時から、家畜伝染病防疫対策本部員会議を開いて対応を協議。殺処分の対象がこれまでより多いため、今後90時間以内に豚を殺処分し、来年1月3日までに埋却や施設の消毒を進めることにした。自衛隊にも災害派遣を要請。防疫措置に陸上自衛隊第10師団(名古屋市)から支援を受ける。

 古田肇知事は「今度は民間の大規模農場で、大変に残念だ。さらに強い危機感を持って対応を。寒波に向かうなかで長丁場の防疫措置になる。職員の体調管理に十分な留意を」と指示した。

 岐阜県内では、飼育施設での豚コレラの感染がこれまでに養豚場、岐阜市と県の施設などの豚やイノシシで計5例発生し、野生のイノシシ79頭でも確認されていた。22日には愛知県内でも、犬山市で捕獲された野生イノシシから豚コレラが確認されている。

 豚コレラは人には感染せず、感染した豚の肉を食べても健康への影響はない。(板倉吉延)

自衛隊、養豚場に500人派遣

 岐阜県関市の養豚場の豚から豚(とん)コレラウイルスの陽性反応が確認されたことを受け、陸上自衛隊第10師団(名古屋市)は25日早朝、約500人の応援要員の派遣を始めた。現地の養豚場で豚の追い出しなどの殺処分支援のほか、餌や堆肥(たいひ)などの埋め立てに向けた運搬作業にあたるという。

 豚コレラ発生を受けて自衛隊が支援に入るのは初めて。第10師団は岐阜県からの要請を受け、4個隊でそれぞれ計100~170人ほどを現地に派遣する。

 昼に出発した第3対処隊隊長の三木洋・3等陸佐は報道陣の取材に「県民の不安をしっかり払拭(ふっしょく)したい」と話した。(佐藤英彬)

岐阜県内の飼育施設で感染が確認された豚コレラ

①9月9日 岐阜市の養豚場の豚。国内で26年ぶり

②11月16日 岐阜市の市畜産センター公園の豚

③12月5日 美濃加茂市の県畜産研究所の豚

④12月10日 関市のイノシシ飼育施設のイノシシ

⑤12月15日 可児市の県農業大学校の養豚施設の豚

⑥12月25日 関市の養豚場の豚