日産のケリー前代表取締役が保釈「虚偽記載は一切ない」

ゴーン前会長

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 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が有価証券報告書に役員報酬を過少記載したとされる事件で、東京地裁は25日、前会長とともに逮捕された側近の前代表取締役グレッグ・ケリー被告(62)=金融商品取引法違反の罪で起訴=について、保釈を認める決定を出した。検察側は決定を不服として準抗告したが、地裁は退けた。ケリー前代表取締役は7千万円の保釈保証金を即日納付し、最初の逮捕から37日目の同日夜に東京拘置所から保釈された。

 ケリー前代表取締役は一貫して容疑を否認している。東京地検特捜部の事件で、否認のまま早期の保釈が認められるのは異例。

 地裁などによると、保釈の条件として、国内の決められた場所に住むこととし、海外への渡航を禁じた。パスポートは弁護人が管理する。ゴーン前会長や西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)、司法取引した幹部らとの接触も禁じた。取締役会への出席は地裁の許可が必要という。

 裁判所が保釈を認めるにあたっては、「証拠隠滅や逃亡の恐れ」を検討する。地裁は、保釈の条件を守れば、証拠隠滅の恐れは少ないと判断したとみられる。首の持病で手足のしびれがあり、病院で医師の診察を希望していることも考慮した可能性がある。

 特捜部は11月19日、前会長とケリー前代表取締役を5年分の役員報酬の虚偽記載容疑で逮捕。12月10日に起訴し、同じ日に3年分の虚偽記載について再逮捕した。だが地裁は20日、検察側の勾留の延長請求を却下。ケリー前代表取締役の弁護人は21日に保釈を請求したが、起訴された被告の立場で勾留が続いていた。

 ゴーン前会長は報酬の一部を退任後に受け取ることにして隠していた疑いがあり、ケリー前代表取締役はその共犯として逮捕されたが、「退任後にコンサルタント料などを支払うことは検討していたが、役員報酬とは関係ない」などと否認している。

 ゴーン前会長は会社法違反(特別背任)容疑で21日に再逮捕され、1月1日までの勾留が決定している。

 保釈されたケリー前代表取締役は弁護人を通じて「虚偽記載は一切やっていない。無実であることは法廷の場で明らかにされる。一刻も早く家族のもとへ帰りたい」というコメントを発表した。