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 組織の不正を内部通報した人を守る公益通報者保護法の改正に向けて、内閣府・消費者委員会の調査会は26日、企業に内部通報制度の整備を義務づけ、役員や退職者も保護対象に加えるなどの強化策を盛り込んだ報告書をまとめた。政府は近く答申を受けて法案づくりに動き出すが、経済界側の反発で見送られた項目も多く、法改正の実現時期も見通せていない。

 同法は2006年に施行されたが、その後も内部通報はしづらく、通報者も十分に守られていないなどとして、強化の必要性が指摘されてきた。消費者庁の有識者検討会が16年に改正内容の提言をまとめ、首相の諮問を受けた消費者委が1月から議論してきた。

 報告書は、従業員300人超の企業や行政機関には内部通報制度の整備を義務づけるべきだとした。300人超の事業者は、全体の1%足らず。消費者庁の調査では、301~1千人の事業者で制度を導入ずみなのは約7割にとどまる。より不正が通報されやすい環境を作るため、現役の働き手だけでなく、退職者と役員も保護対象に加えることも盛り込んだ。

 内部通報者に報復人事など不利益な扱いをすることは今も禁じられているが、罰則がなく、通報者が訴訟で争わないと決着がつかない例もあった。報告書は、行政が「不利益な扱い」だと判断した場合は事業者を助言・指導し、悪質な場合には勧告や事業者名の公表も行うべきだとした。

 一方、2年前の検討会の提言より後退した部分も目立った。通報内容の守秘義務をめぐっては、提言に沿って通報窓口の担当者に課すべきだとの意見も多かったが、経済界側の委員が「担当者の負担が重くなる」などと反対。事業者内で保秘の態勢づくりを求めるにとどめ、罰則も見送られた。不利益な扱いかどうかを証明する責任を、通報者から事業者に移すことも提言されていたが、経済界側の委員が「乱用への懸念」を示して見送られた。

 消費者委は27日にも首相に答申するが、退職後の保護年数を限定するかどうかなどの検討課題や、経済界の反対意見が残る項目も多い。消費者庁は調整などに一定の時間がかかるとしており、国会への法案提出は20年以降になる見通しだ。(野村杏実)

■内部通報を経験した医…

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