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 27日にあった県民健康調査検討委員会で、環境省は、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)の専門家グループがまとめた勧告を報告した。今後の原発事故時には、全住民を対象とする甲状腺検査をしない方がよいとする内容で、治療の必要のないがんを見つける「過剰診断」の害が大きいと指摘している。

 勧告について、検討委の星北斗座長は「議論の参考にすることは避けられないと思う。ただ、多くの県民が甲状腺検査を頼みにしている状況もあり、一つの提言で決まるものではない」と話した。

 一方、勧告は「甲状腺の被曝(ひばく)量が100ミリシーベルト以上の人は、がんになるリスクが高いとして、検査を受けるかどうか選択できるようにする」とも指摘。低リスクとする人も不安があれば、検査の利益と害についての説明を受けた上で、検査を受けることができるともしている。

 また、この日の検討委では、20歳を超えた後に検査間隔が5年になる25歳時検査についての報告もあった。対象者2万2653人のうち昨年5月から今年9月末までで、受診者が8・9%にあたる2005人にとどまっているという。星座長は「始まったばかりで、評価するにはデータが不十分だが、希望する人には受診ができるように取り組む」と話した。(奥村輝)