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 東京電力福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の第36回公判が27日、東京地裁であった。被害者参加制度を使った遺族の代理人弁護士が意見を述べ、「被害者は極めて過酷な避難で命を奪われた。対策を先延ばしした被告らの責任は重大だ」と指摘。検察官役の指定弁護士と同様、禁錮5年の処罰を求めた。

 強制起訴された元会長・勝俣恒久(78)、元副社長・武黒(たけくろ)一郎(72)、元副社長・武藤栄(68)の3被告は原発事故によって、4・5キロ離れた「双葉病院」(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされる。裁判には、このうちの1人の男性(当時97)の遺族が、被害者として参加している。

 遺族の代理人はまず、事故直後の状況を説明した。それによると、国は2011年3月12日に「原発から半径10キロ圏内」の地域に避難指示を出したが、救助にあたる自衛隊員が防護服を調達するのに時間がかかり、寝たきりだった男性が自衛隊のバスで避難を開始したのは14日午前10時半だった。約10時間後、43キロ離れた県立高校に着いたバスの車内は排泄(はいせつ)物の臭いが漂い、座席の足元で亡くなった患者もいた。栄養を取るためのカテーテルを外された男性は極度の栄養失調や脱水状態に陥り、翌15日までに亡くなった。

 代理人はさらに、被告らが津波の予測について報告を受けながら、対策を取らなかったとして「原発の安全性が不十分と熟知しながら、多額の工事コストが経営に及ぼす悪影響を危惧して対策を講じなかった」と批判。「原発事故を引き起こした者の責任が明らかにされなければ、被害者の無念は晴らされない」と締めくくった。

 裁判は、無罪を主張する弁護側が来年3月12、13日に最終弁論して結審する。(阿部峻介)

 「福島原発刑事訴訟支援団」の…

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