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 脳の損傷で、記憶力や注意力が低下するなどの症状が出る「高次脳機能障害」の本を翻訳し、当事者や家族へ届けたい――。兵庫の大学教員らがインターネットのクラウドファンディングで出資を募っている。日常生活で困ることが多い当事者にとって「くらしのヒント」が詰まった本という。

 厚生労働省の調査(2016年、全国在宅障害児・者等実態調査)によると、この障害と診断された人は約32万7千人(推計)。脳卒中や交通事故などによる後遺症で、急に感情の抑制がきかなくなったり、集中力が続かなくなったりするケースもある。外見からは障害が分かりにくく、周囲の理解が得られにくい。

 兵庫県の家族会を10年近く支援してきた、企画者の佐野恭子・兵庫医療大准教授(作業療法士)によると、当事者や家族向けの本は複数あるが、人によって症状は多様で「(書かれてあることが)うちの子には使えない」などと言われることも多かったという。

 翻訳をめざす本は、米国で約10年前に出版された「Brain Injury Survival Kit」。「やることリストは短い文で書こう」「次は何? 明日は何? なんて考えないでおこう」など、365個のシンプルなヒントが並んでいる。佐野さんは「一日一つずつでもチャレンジしていくことで、自信をもって生活できるようになると思う」と話す。

 目標額は、出版費用や翻訳権料など210万円。朝日新聞社のクラウドファンディング「A―port」(https://a-port.asahi.com/projects/happy-life-support/別ウインドウで開きます)で募っている(2019年3月6日まで)。実現すれば、まず兵庫と大阪の家族会を通じて、当事者や家族に配る。一口3千円~2万円の5コースあり、数量限定で完成本などの返礼がある。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(後藤一也)