温泉街に巨大ペヤング 狙いはSNS、苦い過去も教訓?

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森岡航平
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 パクチー味や通常の4倍盛りといった奇抜な新商品が次々登場する即席麺「ペヤング」シリーズ。インターネットでの話題の広がりを意識した製造・販売元「まるか食品」(群馬県伊勢崎市)の戦略がウケている。2014年の異物混入問題で売り上げは落ち込んだものの、その後は順調に回復。温泉街とコラボした企画も始め、さらなるSNSでの拡散を狙う。

 群馬・伊香保温泉のシンボルの石段街に「ペヤングソースやきそば」の容器を模した高さ1・9メートル、幅1・4メートルのモニュメントが現れたのは昨年11月下旬だった。主に木製で、容積は実物の約1千倍。「巨大ペヤング」の下を流れる温泉の湯と湯けむりが即席麺の「湯切り」のようだと話題に。SNSには画像が続々と投稿された。

 巨大ペヤングの設置は、3月末まで開催している「伊香保温泉ペヤング祭り」と称したイベントの一環。ペヤングは1975年発売のロングセラーだが、競争の激しい食品業界では安穏とはしていられない。若者にさらなるアピールを考えていたまるか食品側と、若い世代の観光客を呼び込みたい伊香保温泉側の思惑が一致。ペヤングの名前の由来が「若いカップルで仲良く食べてほしい」という願いから「ペア」と「ヤング」をかけ合わせた造語だったことと、石段街の最上部にある伊香保神社が縁結びや子宝の御利益があるとされる「縁」も後押しし、開催が実現した。

 渋川伊香保温泉観光協会の大…

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