[PR]

 2018年は企業の業績が好調だった半面、人手不足が深刻化し、米国と中国の対立が激しさを増すなど国内外で先行きへの不安が広がった年だった。19年の見通しを経済3団体のトップに聞くと、米中関係の行方への懸念を示しつつ、デジタル化社会に対応し、外国人との共生に踏み出す年だ、などと訴えた。

 経団連の中西宏明会長は「2~3カ月で経済情勢は大きく変わる」。年末までの数カ月で、米中の対立が単なる貿易摩擦から先端技術をめぐる世界の覇権争いに移った、とみる。

 「このままでは国際経済がブロック化しかねない」と危機感を募らせ、19年の経団連の重点的な取り組みとして「自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化」を挙げた。6月に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議にあわせ、民間の経済外交に力を入れるという。

 さらに「(人工知能やビッグデータの活用といった)デジタル化の波を日本経済の後押しにしたい。構造改革が必須で、19年は本格展開する年。その先頭を走りたい」と話した。

 日本商工会議所の三村明夫会頭は、19年4月の改正出入国管理法の施行を「非常に喜んでいる」と言う。中小企業の人手不足が少しでも緩和に向かうことを期待し、「外国人との共生の準備が始まる。画期的なことだ」と評価する。

 これまでの技能実習制度については「厳しい条件で働いてきた人もいた」と指摘。「これからは適切な労働環境(を整えること)で外国人から選ばれる国にしなければ。その第一歩にしたい」と述べた。

 経済同友会の小林喜光代表幹事は、国の財政再建の必要性を訴える。19年秋の消費税率の引き上げに伴う大規模な経済対策が決まったが、「消費増税ならぬ消費減税と思うぐらいの対策だ。結局は財政に響く。要注意だ」と話す。

 主要各国が技術開発競争を繰り広げているデジタル化をめぐっては「日本人はぬるま湯につかっている。世界から3周遅れだ」と手厳しい。「もっと勉強し、日本の置かれた現状を把握してほしい」と広く国民に呼びかける一方、「財界もサロンではいけない。社会に出て議論していきたい」と意欲をみせた。(加藤裕則)