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 「経営者になりたいんです」。神戸市内の県立高校に通っていた2年前の夏。高3の進路指導で切り出した時の教師の顔を、永田公平さん(20)は忘れない。

 鼻で笑われた。

 その時、海外への思いが強まった。「先生の反応は、昔の日本っぽいなって」。良い大学へ行き、大企業に入れば、年功序列で安泰――。いまマレーシアでシェアハウスを経営する永田さんはそう振り返る。首都クアラルンプールの中心部にあるマンションの一室に、2段ベッドが並ぶ。自身もここで寝泊まりしながら、新規事業の立案や投資家集めに精を出す。

 1998年生まれ。バブル崩壊後の「失われた20年」を生きてきた。同級生は、きのう見たテレビの話ばかり。不動産の営業をしている父親は、いつも疲れて見えた。そういう自分だって、勉強も運動もパッとしない。敷かれたレールに自分も乗せられるのか。目標を見つけたのは、シンガポールへ家族旅行に行った時だ。現地で起業した父の知人は一等地にオフィスを構え、目を輝かせて仕事に打ち込んでいた。「こんな大人になりたい」

 仕事や留学などで海外に住む日本人は、平成の始まった89年は58万人だった。17年には135万人と倍に。しかも、かつてのようには気負わず、必ずしも日本を「帰るべき場所」と思い定めぬまま、振り返りもせずに出て行く。そんな人が増えている。

 永田さんも「ハロー」程度の英語しか分からないというのに、高校卒業を待たずに海外へ。フィリピン、タイなどを放浪した末にマレーシアへたどりつくと、日系企業に「起業の勉強をさせてほしい」と片っ端から電話を入れた。ネットで支援を呼びかけて約180万円を集め、9月にシェアハウスを始めた。

 来年はどこか別の国で企業のイ…

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