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 マティス米国防長官が2019年1月1日に退任する。国際協調に背を向けるトランプ米大統領の歯止め役だったが、米軍のシリア撤退などトランプ氏の独断を抑えきれなくなった。トランプ氏は「リバタリアン」として知られるランド・ポール共和党上院議員の影響でシリア撤退を決断したとの見方が強まっており、米国の「内向き」志向の加速が懸念される。(ワシントン=園田耕司)

 「君の名前を米国市民のほとんどが知らない。それでも、すべての米国市民が自分たちの自由と安全がしっかりと守られていくと実感している。メリークリスマス、神のご加護を」

 クリスマスの12月25日、世界各地に派遣されている米軍兵士へマティス氏がメッセージを送った。国防総省によると、シャナハン国防副長官と交代する来年1月1日、記念セレモニーの開催は現時点では予定されていないという。マティス氏が国防長官として米軍兵士へ届けるメッセージは、これが最後になる可能性もある。

 元海兵隊大将のマティス氏は17年1月、トランプ政権発足とともに国防長官に就任した。就任にあたり、トランプ氏は戦場で勇敢に戦うという意味でマティス氏につけられた「狂犬」というニックネームを披露し、尊敬している姿勢を強調した。17年2月にマティス氏がトランプ政権の閣僚として初来日する際には、トランプ氏が安倍晋三首相に電話し、「彼は専門家で非常に信頼している」とわざわざ伝えたほどだった。

 しかし、「米国第一」を掲げて即興的な判断を繰り返すトランプ氏と、元米軍高級幹部で「同盟重視」のマティス氏は考え方が水と油のように違った。トランプ氏は次第にマティス氏を疎んじるようになり、「宇宙軍」創設、米韓合同軍事演習の中止、メキシコとの国境への米軍派遣など、マティス氏の頭越しに次々と重要な安全保障政策を決めた。

 その最後の決定打が、米軍のシリア撤退だった。マティス氏はトランプ氏に再考を直談判し、トランプ氏に抗議して自ら辞任する体裁を取った。だが実際は、トランプ氏への影響力を完全に失い、追い込まれた末の辞任だった。

 元米政府当局者は「マティス氏は最後の局面でトランプ氏を本気で説得しようとしたというよりも、自分が後世の歴史書にどう書かれるかを意識して行動したものだった」とみる。

 一方、マティス氏の凋落(ちょ…

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