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【まとめて読む】患者を生きる・食べる「ギラン・バレー」

 東京都の会社員、宮代憲一さん(46)は、約5年前、鶏肉などの食中毒からまれに起こる「ギラン・バレー症候群」で、体が動かなくなりました。再発が怖くて生肉が触れなくなったり、筋力低下ではしが使えなくなったりしました。リハビリで日常を取り戻すまでに苦難の日々がありました。

 

起き上がれない…脳卒中? 初めて聞いた病名

 2014年3月5日朝、東京都の会社員宮代憲一(みやしろけんいち)さん(46)はベッドで目覚めて驚いた。

 「起き上がれない」

 手と首から上を除き、力が入らない。「どうしよう。まさかこんなに急に悪くなるなんて」

 体が動かしにくい感覚は、2日前からあった。左ひざに力が入らず、会社から帰る途中に転びそうになった。

 その翌日、家の近くの診療所を受診した。脳卒中の疑いがあると言われ、その日午後には紹介された葛西昌医会病院(東京都江戸川区)に向かった。

 ところが、磁気共鳴断層撮影(MRI)検査を受けると、脳に異常はなかった。首をかしげる医師に聞かれた。「最近、食中毒とか感染性の胃腸炎になりませんでしたか」

 思い当たる節があった。1週間ほど前からひどい下痢で、ヨーグルトとおかゆしか口にしていなかった。体に力が入らないのも、食事が十分にとれないことで体力が落ちたせいだと思っていた。

 そのことを医師に伝えると「ひょっとしたら、ギラン・バレー症候群(GBS)かもしれません」と言われた。「ギラン・バレー?」。初めて聞く病名でピンとこなかった。

 GBSは、筋肉に信号を伝える末梢(まっしょう)神経の病気だ。筋力低下やしびれが主な症状で、重症になるとまれに死亡することもある。

 原因として、鶏肉を主な感染源とする細菌「カンピロバクター」による食中毒が有名だ。本来は、細菌やウイルスから体を守るための免疫の仕組みが、誤って自分の末梢神経を攻撃してしまうためだと考えられている。

 しかし、宮代さんは脳卒中の疑いで受診したため、食中毒が引きおこすGBSの検査や詳しい説明はなかった。

 医師から「入院しますか」と聞かれたが、病気をきちんと理解しないままに「帰ります」と答えてしまった。仕事が忙しく、まだどうにか体も動いたからだ。

 その日は、足を引きずるようにしながらも歩いて帰り、食事をし、風呂に入って、寝た。そして翌朝、目が覚めると体が動かなくなっていた。

 

急速に動かなくなる手足 一刻も早く治療を

 東京都の会社員宮代憲一さん(46)は2014年3月、体にまひやしびれが出る「ギラン・バレー症候群(GBS)」の疑いがあると病院で告げられた。いったん帰宅したが、症状が進み翌朝ベッドから起き上がれなくなった。

 すぐ救急車を呼ぶべき状況だったが、「入院することになるだろうから仕事の関係先に連絡を入れなくては」と思った。

 妻千夏(ちなつ)さん(46)にベッドからキャスター付きのイスに移してもらい居間まで移動。どうにか動く首から上と手で、同僚や取引先に電話やメールをした。しかし、次第にキーボードを打つ指先が動かなくなっていった。連絡を終えたところで、千夏さんに救急車を呼んでもらった。

 搬送先の葛西昌医会病院(東京…

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