俳優の西田敏行さん(71)はかつて、テレビ番組の企画で南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)の登頂に挑んだ経験があります。当時の壮絶な体験とともに、86歳でアコンカグア登頂を目指す三浦雄一郎さんへのメッセージを聞きました。

 ドキュメンタリー番組を作るため、2000年に53歳でアコンカグアにチャレンジしました。でも、頂上まであと高さ100メートルというところで断念して、やむなく下山したんですけども。アコンカグアに登ろうと決めた理由は、番組制作会社から「ドキュメンタリーとしてやってみたいことは?」とオファーがあったからです。

植村直己演じた後、背中押され

 主演した映画「植村直己物語」(1986年公開)では、後に北米最高峰マッキンリー(現デナリ)で遭難死した山田昇さんを始め、多くの登山家が撮影をサポートしてくれて、彼らから刺激を受けました。撮影が終わって2年ぐらい経ったとき、「今の体の状態だったらアコンカグアぐらい、素人のあんたでも登れるんじゃない?」みたいなことを言われたんです。その言葉を覚えていて、挑戦してみようと背中を押されました。

 僕が演じた植村直己さんは、五大陸の最高峰を全て制覇しています。植村さんが登った山のうち、僕も一つくらいは登ってみたかった。映画の撮影でエベレストへ行ったときもベースキャンプ(BC)まででしたから。エベレストではトレッキングの途中で嫌になっちゃって「もう二度とやるもんか」と思ったのですけど、BCを前にして高度に順化したというか、とても体が軽くなった。「何でこんなに体が軽いんだ、何でこんなに登るのが楽しいんだ」と、とんでもないスピードで登ることができた。あのときの快感が忘れられず、またあの快感を味わってみたいという気持ちがありました。

 オファーを受けたときは大河ドラマなどの撮影中でした。運動する習慣もなく、夜中まで撮影して非常に自堕落な日々です。仕事任せでいるときはもう規則正しい暮らしなんで思いつかなかった。そういうような状況で、ドキュメンタリーを作ろうと決断しました。自分と同じ団塊の世代に向けて、ちょっと疲れちゃったおじさんたちに「奮起すればやれるんだぞ」というメッセージにしたいという思いを抱いていたんです。

頂上 「まだ先にあるのかよ」

 アコンカグアに備えるため、マネジャーと一緒にエベレストでトレッキングをしました。標高4千メートルくらいまで行って。植村直己物語のときは37歳で、気力も体力もピークだったと思うのですが、50代になってからの高度順化はなかなか大変でした。苦しいばっかりで、大丈夫かなと思いながらアコンカグアに臨みました。

 アコンカグアを登っている途中…

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