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 がんと診断された東海地方の女性7人が昨年夏、フラダンスグループ「チームプリメリア」を結成した。「がんサバイバー(がん経験者)でも楽しく踊れることを知ってほしい」と、治療や検査の合間を縫って練習に励んでいる。

 ハワイアンソングのゆったりとした調べの中で、女性たちが花柄のパウスカートを揺らしていた。「振り向いた時の笑顔が大切ですよ」と講師の声が飛ぶ。昨年末、メンバーが名古屋市北区のスポーツセンターで手と足の動きを確かめながら練習をしていた。動きがゆっくりな分、表現力が必要になる。一つひとつの踊りには深い意味が込められ、それを理解しながら心をこめて踊る。

 結成を呼びかけたのは、5年前に口腔(こうくう)底がんを発症し、2度の手術を経験した同区の村山民愛(みね)さん。がんが見つかる前はスポーツクラブでインストラクターをしていた。「がん=死」と思っていた村山さんは、仕事を辞め、退院後は家に閉じこもりがちになった。

 「最初は不安でしょうがなかった。でも、せっかく助かった命だから、楽しく生きよう」。家族の支えもあり、気持ちを切り替えることができたという。

 治療を受けた病院で開かれていたがんサバイバーの運動教室に参加し、体を動かす喜びを再認識した。1年半後、一般社団法人「キャンサーフィットネス」のがん患者を対象に運動を指導できるインストラクターの資格を取得し、社会復帰した。

 病気になる前にフラを習っていた村山さん。「曲を聞くと温かい気持ちになれた」。その当時の講師に相談すると、指導してもらえることに。仕事とは別にフラダンスチームをつくることを思い立ち、がんサバイバーの知人らを誘った。メンバーは40、50代で乳がんや子宮がんなど、症状もさまざまで、手術を控えている人もいる。11月3日に名古屋市内であった日本対がん協会賞の受賞祝賀会で初めて踊りを披露し、大きな拍手を浴びた。

 次の目標は、病院などを慰問し、同じ苦しみをしているがん患者らの前で踊り、勇気や希望を与えたいという。「上手じゃなくても、笑顔で踊る楽しさを伝えたい。目標を持つことは自分たちの生きる希望にもなる」と村山さん。

 出演依頼や入会希望、問い合わせは村山さんの電子メール(mineii.smile@gmail.com)へ。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(松永佳伸)