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 東京・永田町。ウェブデザイナーの池田秀紀さん(38)は、政党本部やオフィスがひしめく都心の駐車場で暮らす。住まいはグレーのベンツのバン。個人が共同で使えるシェアオフィスへの通勤時間は10秒ほどだ。

 「満員電車に揺られて出勤し、高い家賃をやりくりする。そんな暮らしはもうばかばかしくて」

 350万円で買った中古車にベッドやキッチンを据えた。余計な荷物は収納サービスに預け、風呂はホテルのジムなどで。「寝床以外はすべてシェア(共有)」。家も職場も持たずバンで生活する「バンライフ」は1年近くになる。

 ウェブサイトをつくる仕事にはネット環境とパソコンさえあればいい。駐車場代が月5万円の永田町を拠点に、気が向くままに「職場」を決める。神戸市内で仕事をした際は、淡路島で釣りも楽しんだ。

 好きなときに好きな場所で働く。生活の水準はそれなりに。大学生のころからの思いだ。都内の広告会社で寝る間も惜しんで働き、体をこわした。「身を粉にして売っているものは、ひとが本当に望んでいるものなのか」。消費をせかす社会への疑問から会社を辞めた。

 さらに8年前の東日本大震災の被災地をみて、もとの生活の延長線上にある復興ではなく、20~30年先の生活スタイルの提案を試みた。熊本や札幌に住み、農家のホームページをつくり対価に農作物を受け取る。畑も耕す。離婚して昨春、東京に戻ったら、荷物はトランク二つだけだった。

 池田さん(http://vldk.life/別ウインドウで開きます)はいう。「物質的な豊かさを求めた20世紀の価値観から解放された生き方もある、という選択肢を提案できたら」

 もちろん、将来への不安はある…

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