[PR]

 2019年最初の取引となった4日の東京金融市場は、株安・円高の荒い値動きに見舞われた。仕事始めを迎えた企業トップからは、世界経済にブレーキがかかる前兆と懸念する声と、短期的な値動きと楽観する声が入り交じった。

 「(今年が)不安定な環境になることは織り込み済みだったが、少し顕現化する時期が早かった」。全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は4日、賀詞交換会で取材にこう述べ、米中摩擦などのリスクが高まることを警戒した。同じ会合で日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は「米国その他外国でいくつか予想外のことがあり、マーケットに大きく影響している」と語った。

 SMBC日興証券の清水喜彦社長は「米中貿易戦争にせよ、日本外交にせよ、英国の欧州連合離脱にせよ、不安定要素・不確定要素が大きく、(市場が)大きく波打つ。景気では、世界経済の正念場と思っている」との見方を示した。

 ダイキン工業の井上礼之会長は米中貿易摩擦や中国の景気減速を挙げ、「世界経済は混乱し、踊り場にきている。春以降、企業業績にマイナス影響が出てくるかもしれない」とみる。

 農機大手のクボタは、為替が1円円高ドル安に振れると、営業利益が約20億円減る。主力の農機や建機の売り上げの約7割は海外だが、国内生産比率が高い。木股昌俊社長は「生産を輸出型から地産地消型に変えていかないといけない。怠れば会社がこの先どうなるか分からない」と話す。

 一方、三井住友銀行の高島誠頭取は年末年始の株価下落は「過剰反応ではないか」と指摘。大和証券グループ本社の中田誠司社長も「PBR(株価純資産倍率)が歴史的に低い水準で、現在が大底とみていい」。米中摩擦など不確定要因の見通しがたつ年末にかけて株価は上昇すると見込む。

 第一生命ホールディングスの稲垣精二社長も「(年始の下落は米アップルという)個社の業績がきっかけで、世界経済全体という判断をするのは時期尚早」と語り、「日本国内で日本株が大きく下落する要因はない」と指摘した。(新宅あゆみ、榊原謙、伊沢友之)