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 硬く巨大に育ったナスが、瀬戸内海に浮かぶ岡山県の黒島に残されていました。無人島になってから2カ月以上、放置されたままになっています。人が減り続けるこの国の将来はどうなっちゃうの、とナスを見ながらぼうぜんとなりました。

 今回の連載のテーマは「人口減社会」。それはすでに、80年前から予想されていたといいます。しかし、根本的な対策は先送りされたまま。

 カメラマンとして関わる私は、この問題とどう向き合うべきか。80年前の映画撮影用のレンズを通して、今の日本をのぞいてみようと思い立ちました。

 いろんな映画監督がたくさんの物語を撮って私のところにやってきたレンズ。きっと80年分の「何か」を凝縮したものが写るはずと期待して。

 振り返ってみると、これらの写真は、断片を記録したものでしかありません。「人口減少」を象徴するものでもなければ、解決策を示すものでもありません。

 ただ、物語を動かすのはやっぱり「人」。主人公のアクションによっては、悲劇にも喜劇にもなり得る。そして、誰しも主人公です。

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 小玉重隆(こだま・しげたか)36歳。映像報道部カメラマン。最近、古いレンズにはまる。使い勝手も悪く欠点だらけ。でも、その欠点こそが個性を生むと思っています。(小玉重隆)