【動画】史上最年少で囲碁のプロ棋士となる仲邑菫さんが井山裕太五冠と公開対局=瀬戸口翼撮影
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 4月に史上最年少で囲碁のプロ棋士となる大阪市此花区の小学4年生、仲邑菫(なかむらすみれ)さん(9)が6日、日本囲碁界の第一人者、井山裕太五冠(29)と公開対局した。菫さんは最もハンディが少なく互角に近い「先番」の手合でぶつかったが、対局中に予定の終了時間に達して打ち掛け(打ち止め)となった。

 対局の舞台は、井山五冠の出身地、大阪府東大阪市の市役所であった「井山杯新春囲碁フェスティバル」。イス対局で、菫さんは座布団2枚重ねで井山五冠と向かいあった。菫さんは大敵を相手にひるまず打ち、一時は井山五冠に「全然ダメ」と言わしめるほど優勢になったが、後半になって追い上げられ、対局開始から約1時間20分後の打ち掛けの時点では、井山五冠の勝勢だった。

 先月、菫さんは張栩名人(38)と対局し、下手がより有利なハンディを与えられた「先番逆コミ」でみごと引き分けた。しかし、井山五冠との「先番」の壁は厚かった。

 対局終了後、司会に感想を聞かれた菫さんは首をかしげて答えられず、「緊張した?」の問いに「はい」と答えた。

 井山五冠は、昨年もこのイベントで菫さんと打っている。そのときは、あらかじめ盤上に二つ石を置く下手がかなり有利な「置碁」という手合で、今回と同じく打ち掛けに終わった。そのときと比べて、「菫さんのこの1年の成長速度、努力に驚いている。9歳の年齢でこれだけの実力があるのは本当にすごいこと。今まで見たことがないし、自分の9歳のときとは比べものにならない」と絶賛。「すごい棋士になるのは間違いない。近い将来、本番でやられると思うので、きょうはがんばろうと思った」と話した。

 菫さんは昨年の井山杯小学生の部で優勝し、東大阪市名誉市民の井山五冠との記念対局が決まった。前日の5日、菫さんのプロ入りが日本棋院から発表されたことから、この日の対局の注目度が上がり、大勢の市民や報道陣が詰めかけた。

 菫さんは日本棋院が新設した採用制度「英才特別採用推薦棋士」の第1号として4月1日付で、10歳0カ月で父と同じ日本棋院関西総本部(大阪市)の所属棋士になる。これまでの最年少記録は、9年前に11歳6カ月でプロ入りした藤沢里菜女流三冠(20)だった。(大出公二)