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 人工知能(AI)が人間の知能を超えるといわれる。加速度的に進むイノベーションを、日本がこれから迎える超高齢化社会の課題解決に結びつけることはできないのか。いま最も注目されているAIベンチャー、プリファード・ネットワークスの西川徹社長(36)に聞いた。

 ――昨年10月、先端技術の見本市シーテックジャパンで、家庭用の「お片づけロボット」のデモを初めて公開しました。

 「家庭用ロボットを目の前で動かして見せるのは誰もやったことがなかったんです。動画で公開する場合は1千回に1回成功すればいい。目の前で動かしてみせるのとでは大きな隔たりがあります。実際、昨年初めから開発を始めましたが、最後まで難航しました。AIがものを見分ける精度が上がらず、いろいろなバグを地道に取り除く作業を重ねました。最終的に満足できるものになったのはシーテックの本番直前でした」

 ――シーテックの講演ではロボット事業への進出も表明しました。今後の展望をどう描きますか?

 「家庭用ロボットをパソコンやスマートフォンと同じぐらいの規模、それを超える産業にしていきたい。ロボットを1人1台持つイメージです。あと10年ぐらいで、そういう世界をつくっていきたいです」

AIは人間を越える

 ――AIが進化すれば人間の知能を超えるシンギュラリテイ(技術的特異点)が2045年に来るともいわれています。

 「当然どこかのタイミングでは超えると思います。人間の仕組みはどんどん解明され、人間の脳を再現できれば人の知能に追いつけます。ただ、いまの技術では解明できていない部分もたくさんある。現時点ではいつ超えるのかを予測するのは極めて難しいですね」

 ――いまの技術的な課題は何でしょうか。

 「AIの技術のひとつであるディープラーニング(深層学習)は、AIにたくさんの学習をさせると精度があがりますが、人間の子供たちは多くのデータを詰め込んでいるわけではないのに、どんどん成長していきます。少ないデータ量でいかに学習していくのかが課題です」

 ――人手不足の業界はロボット技術の力を必要としています。AIとロボットは日本が抱える課題を解決できるでしょうか。

 「解決すると思います。これからAIとロボットは人と同じ能力に近づいていくので、例えば介護の現場で、お年寄りが動くときに支えてあげ、物を運び、食事を手伝うこともできます。逆に技術開発を進めないと、人手不足の現場は近い将来破綻(はたん)してしまう。これから5年から10年でロボットが普及し、子育てや介護を含め、建設や農業の現場でロボットが人を助けてくれる。そういう将来像になってくると思います」

救世主?それとも脅威?

 ――AIが「雇用を奪う」ともいわれている。AI脅威論に対しては?

 「AIを脅威だとして抑えようとしても、テクノロジーは進化します。これまで技術が人の仕事にとって代わることはたくさんありました。たとえば電話の交換機は、コンピューターの登場で人がやることが置き換わってきた。しかし、人はコンピューターというツールをつかいこなし、新しい産業を見いだした。AIも道具の一つに過ぎない。ただ、それは非常に強力な道具なので、使い方を間違えると脅威にもなる。そこをどうコントロールして活用するのか。真剣に目を向けていかないといけない」

 ――AIのアルゴリズムがブラックボックス化して、第三者からは分析できないといわれる。欧州連合の「一般データ保護規則」(GDPR)のように個人を保護する仕組みが必要では?

 「要はいまブラックボックスになっているというだけです。なぜそういう仕組みなのかを解明する研究というのは、いまいくつも行われている。そういうところに国として投資する必要がある。適切な法整備というのはもちろん必要ですけれども、過剰な法整備になれば逆に有害です。そのバランスを見極めてやらないと技術が進化しない」

グーグルには勝ちたい

 ――シリコンバレーで起業する…

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