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 米コンサルティング会社ユーラシアグループは7日、2019年の「世界の10大リスク」を発表した。米国で民主主義が揺らいでいることや、欧州でのポピュリズム(大衆迎合)政治の広がり、同盟関係の弱体化など世界中の地政学的事象のほとんどが「悪い方向に向かっている」と指摘。この状況を「悪い種(予兆)」と名付けて1位に挙げた。2位は対立が深まる「米中関係」とした。

 同社は米国際政治学者のイアン・ブレマー氏が社長を務め、毎年初めに、その年の世界政治や経済に深刻な影響を及ぼしそうな事象を予測している。

 19年は国際経済が好調で「比較的いい年になる」と分析。一方、ただちに起こる可能性は低いものの、深刻な危機に発展しかねないリスクは、1998年の同社立ち上げ以来で最悪の水準に達しているとした。ブレマー氏は発表会見で「大規模テロや金融危機などの危機に各国が結束する状況ではなくなった」と話した。

 1位の「悪い種」の一つに挙げた同盟関係の弱体化については、「アジアでは米欧ほど影響はなく、日米同盟は強固」と指摘。その上で「韓国における米軍のプレゼンス縮小を望むといったトランプ米大統領の同盟への懐疑的な姿勢が、中国やロシアなどを利する」とした。

 2位の「米中関係」については「たとえ通商摩擦を解決しても、相互信頼は崩れた」「構造的な競争関係は技術、経済、安全保障分野に広がった」と分析。「双方とも武力衝突は望まなくても、南シナ海などでの偶発的事件が全面的な外交危機になる可能性は高まっている」と予測した。(ワシントン=沢村亙

2019年 世界の10大リスク

(米コンサル会社ユーラシアグループの報告書から)

1 悪い種 米欧政治の混迷、同盟関係の弱体化など

2 米国と中国 技術、経済、安全保障をめぐる摩擦が激化

3 サイバー攻撃 抑止力が利かない問題も露呈へ

4 欧州のポピュリズム 欧州連合の弱体化も

5 米国の内政 トランプ大統領の不正追及で混乱

6 技術革新、冬の時代 安保上の懸念などで国際協力が停滞

7 国際協調に背を向ける指導者たち トルコ、ブラジルなど

8 メキシコ 左派の新政権の経済政策に懸念

9 ウクライナ ロシアとの外交・軍事的な緊張

10 ナイジェリア 大統領選挙(2月)の結果次第で混乱も