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 無痛分娩(ぶんべん)で医師が適切な処置を怠ったために長女が重い障害を負ったとして、京都府内に住む夫婦が「ふるき産婦人科」(同府京田辺市)と男性院長に約1億円の賠償を求めた訴訟が、大阪高裁で和解した。

 原告の夫婦は和解前に朝日新聞の取材に応じ、「お金で娘は帰ってこない。ただ医師に反省してほしいだけです」と語った。

 夫婦によると、妻は2010年8月に長女を妊娠。待ち望んでいた第1子で、生まれる前から「元気な子に育ってほしい」と思いを込めた名前を考えていた。周囲で評判が良かった遠くの病院に妊婦健診に通っていたが、自宅に近いふるき産婦人科に切り替えた。院長は健診の時から「無痛がいい。みんなやっている」と無痛分娩を勧めたという。

 一審判決によると、出産の日、妻は無痛分娩で異変が起きても決して苦情を言わないとする趣旨の承諾書で無痛分娩に同意したが、リスクの有無などについて説明を受けなかった。

 麻酔薬と陣痛促進剤の投与を受け、4回にわたる吸引分娩でも出産できずに帝王切開に。ようやく生まれた長女の産声は聞こえなかった。搬送先の病院で会った時は保育器の中で、何本もの管につながれていた。「なぜこんなことになってしまったのか。涙が止まらなかった」と妻は話す。

 退院後は家族で24時間介護を続けたが、長女は自分の意思で手足を自由に動かすこともできないまま亡くなった。

 提訴に踏み切ったのは長女の身に何が起きたのかを知りたかったからだ。言葉を話すことはなかったが、家族の顔を見ると笑顔を見せ、大好きなアンパンマンの音楽に反応して手足をバタバタさせた。夫婦は「無痛分娩自体は悪くない。ずさんな管理をする医師をきちんと排除できる仕組みをつくってほしい」と訴えた。(大貫聡子)

増える無痛分娩、リスクとどう向き合うか

 無痛分娩は欧米では一般的だが…

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