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 未返還の奨学金の半額を返し終えたのに、まだ支払いは続くのか――。保証人には半額しか支払い義務がないことを知らせずに全額を求めてきた日本学生支援機構。報道で指摘された後に、過大請求による不当な回収をしていたことが明らかになった。

 いつもの朝のように、ネットのニュースを追っていた。北海道に住む男性(73)は昨年11月1日、ある見出しを目にして、思わずクリックした。

 〈奨学金、保証人の義務「半額」なのに〉

 日本学生支援機構は、奨学金の保証人が半額の支払い義務しか負わないことを知らせずに全額を求めている、と書かれていた。「分別の利益」という言葉を初めて知った。

 男性はすぐ、機構に連絡を入れた。保証人として、すでに64万円あまり払っていた。教え子が返せなかった約93万円の半分を超えており、もう払う必要はないのではないか。男性が告げると、担当者は「検討中のため、後日連絡します」と答えた。

 男性はかつて、夜間の定時制高校の教師だった。1997年ごろ、自動車整備工として昼間働きながら通う男子生徒から「短大へ行きたい」と相談された。親族とは縁が切れていると聞き、担任として保証人を引き受けた。進学する生徒はめったにいないだけに、なんとか応援したかった。機構に改組する前の日本育英会時代で、「4親等内の親族」とする保証人の運用も緩やかだった。

 15年後、年金暮らしとなった男性の元に、機構から通知が届いた。教え子が延滞を続けていたことを初めて知った。男性は、通知に記されていた道内のアパートを訪ねた。電気の消えた部屋で、教え子は毛布にくるまって震えていた。

 「先生、迷惑かけてすみません」

 札幌にある短大を卒業した後、消費者金融の借金がかさんで自己破産したという。なぜ借金が膨らんだのかは語らない。連帯保証人の父親はすでに死亡していた。

 「2、3日食べてないんです」「もう死にたい」

 男性はすぐに近くのコンビニへ…

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