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 アカウミガメの生態を調べるため、串本海中公園センター(和歌山県串本町有田)が昨年11月に発信器を着けて放流した2匹の子ども。1匹は順調に太平洋を回遊しているが、1匹は想定外のコースを進んだ後、所在が確認できなくなった。

 和歌山にちなんで「うめ」と「みかん」と名付けられたウミガメ。ともに海中公園の水族館で2016年に生まれた。館によると、日本沿岸で生まれた野生の赤ちゃんは、黒潮の流れに乗って太平洋を回遊するのが通常。11月25日の放流直後、2匹は迷いなく沖へと泳ぎだした。

 2日後、2匹の動きに差が生じた。うめは一気に潮岬沖170キロ地点へ。黒潮の流れに乗る、期待通りの動きを見せた。一方、みかんは沖からUターン。沿岸に戻ってきてしまった。

 1週間後、うめは黒潮の流れに乗って伊豆半島方面へ。みかんはすさみ、白浜沿岸にとどまり続けた。2週間後、うめは太平洋を横断し始める。みかんは逆方向の徳島方面へ向かった後、再びすさみ沿岸に。吉田徹・水族館副館長(36)は「みかんのコースは通常とは異なるが、水深が浅く、エサのクラゲや甲殻類が豊富な沿岸を選んだのかもしれない」とみている。

 12月20日、みかんからの信号が受信できなくなった。最後にいたのは日置川河口付近。総移動距離は約540キロだった。送信機が脱落・故障したり、漁の網に絡まって死んだり、サメに食べられたりしたことが考えられるという。

 順調に泳いでいるうめの、今月12日時点での総移動距離は約3500キロ。水族館によると、機器に問題が生じなければ、1年ほど回遊の経路を追跡できるという。海中公園のホームページ(http://www.kushimoto.co.jp/別ウインドウで開きます)やツイッターで随時、うめの現在地を紹介していくという。(東孝司)