世界的な音楽家で、ニューヨーク在住の坂本龍一さん(66)が語ります。半世紀前の民謡との出会い、被災地を歩いて考えたこと、ローラさんへの言葉、辺野古への土砂投入……。テーマは「沖縄」です。
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初めて沖縄に行ったのは復帰直後の1975年ごろ、20代前半でした。僕はそれまで外国にも行ったことがなく、街の色や米軍基地の存在感の大きさを見て、「これは日本でも沖縄でもない。アメリカだ」という現実に目を見開かされました。
沖縄との出会いは高校生のころ。民謡にひかれました。インドネシアやアフリカの音楽に興味をもち、大学で民族音楽も学ぶのですが、その中でも沖縄は、一番近いところにあるけれど、日本とは異なる独自の文化圏があって面白いなと思ったんです。
日本が江戸時代に200年以上鎖国していたころ、琉球王国は世界に開いていて、東アジアの文化と貿易のハブになりました。様々な影響が堆積(たいせき)して、音楽も非常に豊かなものになったと思います。一番近い異国としてリスペクトすべき文化だと思ってきました。
冷戦が終わって久しい今、沖縄に新たに基地を造る意味があるのかと考えています。
言うまでもなく、沖縄は日本の…
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