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 横浜DeNAベイスターズの岡村信悟社長(49)に、今後の球団運営や、スポーツを通じて横浜の文化創造を目指す「横浜スポーツタウン構想」について聞いた。

 振り返ると、去年の球団運営についての自己採点は、ぎりぎり合格点。むしろ地域やファンにたくさんの借りを作ってしまった。2017年に日本シリーズに出て、18年は20年ぶりの優勝という思いが強かったが、クライマックスシリーズ目前で届かなかった。ホームでも負け越してしまった。広島カープはマツダスタジアムで圧倒的に強い。ハマスタでファンの期待に応えていないと感じた。

 それでも、来場者数は200万人を超え、過去最高を記録。立ち見も含めて完売した試合が52試合で、驚きとともに感謝している。

 事業も、ベイスターズのデザインにラッピングされたみなとみらい線にOB選手も同乗する「ベイスターズトレイン ビクトリー号」の運行や、ホテル横浜ガーデンとオフィシャルホテルプログラムを締結し、ベイスターズがテーマの部屋を5室用意するなど、挑戦した。19年シーズンは3500席増席するので、もっと来場して頂けるように、驚きや喜びを提供していきたい。その究極の姿が優勝ならありがたい。

 ベイスターズの歴史は山口県下関市から始まり、今年70年。名選手の平松政次さんや田代富雄さんがいて、筒香がいる。そして、応援してくれるファンも一緒に歴史を作っている。

 皆が力を発揮して大きな価値を生むという人間の営みに興味を覚える。自分は公共(総務省)にいた。今もスタジアムをコーディネートし、多くの人がそこで新しい価値や幸せ、満たされる時間を作っている。公務員の時の仕事と似たものに関わっていると感じる。民間セクターでも、公共の領域を担えることを証明できたらうれしい。

 作家E・M・フォースターの「ハワーズ・エンド」という作品の冒頭に「オンリーコネクト(ただ結びつけさえすれば)」と書かれている。人と人、組織と組織を結びつけさえすれば、理解、共感、新しい価値が生まれてくるということだ。寄り合って結びつけさえすれば、新しいものが生まれる。南場智子オーナーからは、そういう考えを期待してもらっているのではないかと思う。

 スポーツというものを核に、横浜という土地、価値観にこだわっていきたい。事業の中心はベイスターズやハマスタだが、そのほか健康、教育、遊び、エンタメなど、いくらでも取り組む分野がある。試合がある70日間の3時間だけでなく、365日24時間エンターテインメント空間を拡充していく。近代を牽引(けんいん)してきた横浜の旧市街地で、伝統を背負い、新しい文化を生み出す原動力になりたい。この「横浜スポーツタウン構想」をもとに、今年も新しい領域に貪欲(どんよく)にチャレンジしていきたい。(聞き手・鈴木孝英)

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