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 厚生労働省は9日、不適切な手法で調べたことが発覚している毎月勤労統計の昨年11月分の速報を、そのまま発表した。10日までの公表が省令で定められており、手法の修正が間に合わなかった、という。雇用保険や労災保険の給付水準にも響く重要統計のぞんざいな扱いに、改めて批判が集まりそうだ。

 毎月勤労統計は、働き手の賃金や労働時間の変化を示す。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果をみる指標の一つとして注目される。

 従業員500人以上の事業所はすべて調べるルールなのに、東京都分については約1400の調査対象のうち、3分の1ほどにあたる約500事業所を抽出して調べていたことが昨年12月に発覚していた。

 関係者によると、こうした不適切な調査は2004年から行われた。9日発表の18年11月分も同様だ。

 それによると、11月の名目賃金を示す労働者1人当たり平均での現金給与総額(パートを含む)は16カ月連続で増え、前年同月比2・0%増の28万3607円だった。物価変動の影響を除いた賃金の動きを示す実質賃金指数は4カ月ぶりに上昇し、前年同月より1・1%高かった、という。

 不適切な調査によってデータにゆがみが出ている懸念について、厚労省は公表資料に「調査中」との注釈を付けた。9日に発表した理由について厚労省の担当者は「公表が省令で定められているから」と話す。

 毎月勤労統計の不適切調査をめぐっては、雇用保険や労災保険の複数の人への過少給付につながったことも判明している。