[PR]

 米調査会社ロディウムグループは8日、2018年の米国内の二酸化炭素(CO2)排出量が前年比3・4%増になったとの推計を発表した。米の排出量は07年以来減少傾向にあったが、4年ぶりに上昇に転じた。排出の多い石炭火力発電所の閉鎖は続いているが、好調な経済の影響や冬の冷え込みで、電力消費などが増えたことが原因という。

 同社は、米エネルギー情報局がまとめた第3四半期までの排出量に加え、石油やガス、電力の供給量のデータを使い、エネルギー起源のCO2の排出量を独自に推計した。

 米国の排出量は07年のピークから15年末までに12・1%減った。主に発電部門で、石炭火力が閉鎖され、排出の少ない天然ガスや、排出ゼロの風力や太陽光に置き換わったことが影響した。だが、16年以降は減少が緩やかになり、18年は4年ぶりに増加に転じた。過去20年で2番目に大きい増え幅だという。

 米国は中国に次ぐ世界2位のCO2排出国。トランプ政権の下、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱を表明し、発電所からのCO2排出規制の撤廃や、自動車の燃費規制の大幅緩和も打ち出している。

 同社は、オバマ前政権がパリ協定で示した25年に05年比で26~28%減らすという目標の達成には、これまでの倍以上のペースで削減が必要だと指摘。「実現可能だが、そのためには直ちに大きな政策変更や市場や技術の進展が求められる」としている。(ワシントン=香取啓介)