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 東日本大震災の原発事故で全村避難を経験し、3月11日を「あたりまえをありがたいと思う日」に制定した飯舘村は、何げない日常が大切だと気づかせてくれるエピソードを全国から募集している。3月11日に合わせて発表し、ありふれた日常の価値を見つめ直して感謝する機会にしたいという。

 飯舘村は2017年3月末に大部分で避難指示が解除された。6年間に及ぶ村外への避難生活で、かつての何でもない日常が大切だったと気づいたという村民の話を、菅野典雄村長は何度も聞いた。

 畑の取れたての野菜が味わえること、家の風呂にゆっくり漬かれること、家族が一緒に笑っていられること……。避難生活で失った何でもない日常が幸せなんだと、避難指示解除を受けて昨年、3月11日をありがたさへの気づきを大切にする機会に定めた。

 震災が発生した3月11日に「ありがたい」の言葉を使うことに対し、批判が出る懸念もあった。菅野村長は「震災後、そう簡単に使える言葉ではなかったが、避難指示解除で新たな村づくりがスタートし、あたりまえの本当の意味を未来に伝えることを村の誓いにすることで、この言葉が力を持つと判断した」。

 エピソードは200字を目安に募集し、3月11日に合わせてイベントを開催して紹介。最優秀賞には表彰状と5万円の副賞を贈る。

 菅野村長は「エピソードは震災にまつわる話にこだわらず、日常のいろいろなありがたい話が全国から出てくることを期待したい」と話している。

 郵送、ファクス、メールのいずれかで締め切りは2月3日。問い合わせは村総務課企画係(0244・42・1613)へ。(深津弘)