「超ホワイト」理系研究室 残業ゼロで成果アップの秘訣
中村通子
重井医学研究所室長 松山誠さん(43)
スタッフ全員残業ゼロで、基礎医学の最先端を競う研究室を主宰する。
「理系の研究室って、深夜まで実験をしているブラックな印象が強いと思いますが、うちは超ホワイトです」と笑う。
重井医学研究所(岡山市南区山田)は、国道2号に面した小高い丘の上にある。県内で最初に人工透析を始めた倉敷市の重井病院(現・しげい病院)が腎臓病の解明と治療法開発を目指し1978年に設立した。
研究所には二つの研究室があり、その一方を率いる。専従スタッフは自身も含め20~40歳代の男女5人と小所帯だが、2012年の着任以降、名が通った国際科学誌に7本の論文が載るなど成果を上げている。閲読回数トップ100に入ったものもある。
業務は午前9時~午後5時半。終業から15分後には、研究室は空っぽになる。「自分が帰るのに、部下に残業させるのはいやなんです」
小学5年生の娘と2人で暮らす。伴侶も研究者で、東京で働いているからだ。朝6時半に起きて朝食を作り、娘と一緒に家を出る。午後5時半に仕事を終えて、娘が待つ家に帰る。
どうやって残業をゼロにしているのか。
「目標を定め、そこから逆算…